台車の車輪の選択について

車輪は、車輪本体(芯金またはホイール)と、その外皮に当たるタイヤ部で構成されています。特に車輪タイヤ部は走行抵抗、耐荷重、耐磨耗性など車輪自体の性能に大きく影響します。車輪本体(芯金またはホイール)は、プレス鋼板製、鋳鉄製が主体で、軽荷重になると樹脂製、ハードゴム製、軽合金製などがあります。

車輪の構成要素について

車輪の構成要素について(上部にて図解)

一般に多く使用されているのが、ゴム車輪とウレタン車輪です。
その他、特別条件(耐熱、耐油、耐水、導電性その他)に合致した車輪 があります。
各車輪の特性を生かし、台車に取り付けられることにより、より良い作業環境を実現します。

①ゴム車輪とウレタン車輪

ゴム車輪は、一番よく使用される車輪でコストパーフォマンスも優れています。弾性があり、少し荒れた路面でも衝撃を吸収し安定した走行を実現します。特別な条件がなければ、ゴム車輪で良いと思われます。
最近では、ゴム質を改良したスーパーソリッド車輪、ブタジェンゴム車輪などワンランク上の車輪が使用されるようになりました。
ウレタン車輪は、耐油性、耐摩耗性、耐低温性に優れています。ゴムより硬度は高いため弾性に劣りますが、この短所を補う特性が多いため、ゴム車輪についで多用されています。
またウレタンの最大荷重は、ゴム車輪に比べ約1.5倍です。径150で比較しますと、ゴム車輪200kgに対して、ウレタン車輪は300kgです。特に重量物運搬が多く、床面に油が付着し易い機械工場などに適しています。

ゴム車輪とウレタン車輪の写真(上)

ゴム車輪とウレタン車輪の写真(上)

②特別条件に使用される車輪

a.ナイロン車輪・・・耐熱性、耐薬品性、耐蝕性、耐摩耗性に優れ、車輪自体が軽量です。 硬度が高く、弾性は劣ります。

b.フェノール車輪・・・耐熱性に優れます。最高で260℃まで耐える車輪もあります。
塗装ラインなど高温環境での台車に適しています。硬度が高く、弾性は劣ります。

c.M C ナイロン車輪・・・弾性以外は、比較的優れた特性を持っています。特に耐熱性、耐候性、耐油性に優れます。硬度100のため始動抵抗は少ない方です。
d.導電性車輪・・・静電気を放出し易い導電性能を持ちます。アースの役割を果たします。電子部品工場など静電気の帯電を嫌う作業場での台車にご使用下さい。

特別な環境で使用される車輪の写真(上)

特別な環境で仕様される車輪の写真(上)

③最近の車輪

a.ブタジェンゴム車輪・・・ゴム車輪より弾性がよく、耐摩耗性に優れます。

b.スーパーソリッド車輪・・・天然ゴムを主原料に理想的に配合した合成ゴムです。特に反発弾性を重視して開発され、硬度65度を保ち始動抵抗を小さくしています。ゴム車輪に比べ約3割、ブタジェンゴムに比べ約2割向上しています。また耐磨耗性に優れ、高速回転でも発熱が少なく、けん引される台車に最適です。軸受けには、J I S 規格ラジアルベアリングを 使用しています。

最近の車輪の写真(上)

最近の車輪の写真(上)

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