役立つ知識1 台車の積載荷重について
台車の積載荷重について
質問:運搬車の最大(許容)積載荷重、操作可能荷重、車輪許容(カタログ)荷重との相違。
回答:例えば外径Φ50,許容荷重150kg(147daN)の車輪4個、自重100kg(98daN)の台車は最大積載荷重500kg(490daN)に耐えますが、人力手押しでは非常に重い操作となり実用になりません。
このように車輪やキャスターの許容(カタログ)荷重と、台車としての操作可能な荷重とは全く別物とお考えください。
質問:キャスタ選定時の使用(安全)荷重Wsは
回答:手押し台車 4km/h以下の場合、汎用キャスターでは
Ws=0.5~0.7×許容(または最大)荷重…カタログ値
これを外れる場合は別途ご相談ください。
台車豆知識コラム:許容荷重計算式
キャスターメーカーのカタログに最大荷重または許容荷重(破壊数値)が記載されています。
いずれの表示も殆ど同意味で用いられ、この値を基本に積載荷重を決めます。
1 最大積載重量 使用するキャスターの許容荷重から算定します。
2 算出方法
最大積載荷重daN=(キャスター数×許容荷重daN)×0.7 - 台車自重daN
ここでの0.7は、安全係数で、あくまでも目安です。作業環境により変更して下さい。
例えば、荷台の一部に荷物が集中しているなど偏荷重の場合、荷重が集中する車輪について考慮する必要があります。
キャスター自在金具を多用している場合は、スラスト荷重を考慮する必要があります。
(例:径150 ゴム車輪4輪を付けた台車の最大積載荷重は?)
キャスター許容荷重(カタログより) 196daN(200kg)
台車自重 19.6daN(20kg)、 安全係数 0.7
(4輪×196daN(200kg))×0.7 - 19.6daN(20kg) =529.2daN(540kg)
3 単位について
力の表示はSI単位で、N(ニュートン)表示になります。
1kgf=9.80665N
1N(ニュートン) = 0.1019716kgf
1daN(デカニュートン)= 10N = 1.019716kgf
*弊社カタログではdaN(デカニュートン)もしくはkgf表示です。
耐荷重の事例・参考から考える
荷重条件を算定する際は上記の計算方法以外にも、目安とする方法があります。
それは市販品の台車の設定条件を真似ることです。
例えば市販の500kg積載の台車の場合、ゴム車輪200φのキャスターを使用しております。
このキャスターは1輪当り250kg(最大)の耐荷重です。
実はキャスター単体で見れば耐荷重の倍近い荷重条件を設定しております。
台車メーカーは市販に当たりかなりの余裕を見て設計しております。
ご参考ください。
※荷台サイズは概ね1200mmx700mm、自重40kg程度。
規格品台車は「台車」カテゴリをご覧ください。
耐荷重だけでは判断してはいけない場合
台車の大きさが著しく大きい場合、荷重が均等でない台車、路面状況が悪い場所など、条件によっては
上記の計算で当てはまらない場合がございます。
キャスターの耐荷重だけでは判断してはいけない場合
中荷重用キャスターでもウレタン車輪やナイロン車輪の車輪径250φ程度の場合、1輪当たりの耐荷重が500kgとなっているものがございます。ほとんど動かさない台車や設置機器向けの移動補助的な選定であれば、問題ないかと思われますが、使用頻度が高い台車に耐荷重だけを見てこのようなキャスターを選んでしまわれた場合は、旋回部や車輪の強度が足りない場合があります。仕様頻度や構造に合わせてキャスターを選定ください。
概ね台車製造メーカーの基準では500kg未満までが中荷重用キャスター、それ以上は重荷重用キャスターを推奨することがほとんどです。
・中荷重用キャスターはこちら
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