コイルスプリングキャスター知識

コイルスプリングキャスター豆知識

コイルスプリングキャスター取付の注意点　　

１　スプリングキャスターは、取付には方向性があります。
　　進行方向に対して車輪が後に来るように設定して下さい。
２　取付孔ピッチは、ＩＳＯ規格です。一般キャスター（ＪＩＳ規格）とは違いますので、ご注意下さい。

スプリングキャスター取付方向

最初に押す力（始動抵抗）が違います。　　

台車を押す時、一番力が必要とされるのが、始動時です。例えば、300kg積載の台車を押してみて下さい。一般のキャスターに比べ、明らかにスムーズな始動を実現します。これは、ｽﾌﾟﾘﾝｸﾞの弾力性が非常に高いことが、始動抵抗を減少させていることを意味します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スプリングキャスターイメージ

☆☆　ここで、チョッとアドバイス！！！

始動抵抗減少させるには、車輪も大きな役割を持っています。
①車輪径が大きいほど、効果があります。
②材質によって効果が違います。
　　一般的には、路面に問題がなければ、硬度の高い（鉄車、ＭＣナイロンなど）が有効です。理由は、荷重をかけてもタワミがなく、線接触のため摩擦が少なく済みます。
しかし、実際の路面では、振動等の問題もあり、ゴムとウレタンが主流です。
ゴム車輪は、弾力性があり、一番多く汎用的に使用されています。
特にコイルｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｷｬｽﾀｰに採用したＳＳＴ（スーパーソリッド車輪）は、ワンランク上の成分配分したゴム車輪です。ゴム車輪としては、弾力性が高く、耐摩耗性に優れています。コイルｽﾌﾟﾘﾝｸﾞキャスターとの相乗効果は抜群です。
ウレタン車輪は、ゴムより硬度が高いので、始動抵抗が軽いです。また、耐荷重に優れ、油に強いです。しかし、少し硬度が高いため、路面よりの衝撃が若干強く感じます。
③ベアリングで違います。
一般のキャスターはコマーシャルベアリング（簡易ベアリング）を使用していますが、コイルスプリングキャスターにはラジアルベアリング（ＪＩＳ規格）を使用していますので、ガタつきがなく、スムーズな走行を実現します。

走行時の振動、衝撃を緩和します。　　

コイルスプリングの弾力性で柔らかく吸収します。製品の運搬による擦り傷を減少させますので、安心して精密部品等の重要部品を運搬できます。振動を波形で表した場合、一般キャスターに比べ、約半分以下に抑えることができます。車輪も亀裂等がはいることなく、寿命も一般キャスターに比べ、約２倍延びました。
コイルスプリングは赤バネ（標準）と緑バネ（硬め）、黄バネ（柔らかめ）を用意致しましたので、荷重に応じてご使用できます。バネによる違いは、スプリングの動作距離の変更のみです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スプリングキャスターイメージ

☆☆　スプリングについて-----　データ　（緩衝荷重試験結果）

３種類の仕様
①標準の赤ばね　　厚さ　4.7t 　スプリング50mmに６回巻かれたもの
②緑ばね　　　　　　厚さ　6.6t 　スプリング50mmに５回巻かれたもの
③黄ばね　　　　　　厚さ 4.1t スプリング50mmに６回巻かれたもの

緩衝荷重試験結果（段階的な緩衝距離mmを加えて負荷荷重(kgf)を求める。
※下記、試験結果は試験のためにあえて荷重をかけたものです。
　　バネの変更では、各品番で設定されております許容荷重以上の
　　耐荷重にはなりませんのでご了承ください。
　　バネによる違いは、スプリングの動作距離の変更のみです。

作動距離mm	負荷された荷重(kgf)
作動距離mm	黄色	赤色	緑色
1	45.0	55.0	75.0
2	105.0	110.0	170.0
3	125.0	130.0	190.0
5	165.0	165.0	250.0
7	215.0	200.0	300.0
10	285.0	265.0	410.0
11	305.0	295.0	440.0
12	325.0	320.0	470.0
13	359.0	335.0	500.0
13.5	370.0	350.0	520.0
14	390.0	450.0	535.0

※耐荷重設定は必ず車輪設定でご確認ください。（PC、SST、ZP）
緑バネ（硬め）は廃番とさせていただいております。
バネ補修部品のみ相当品をご案内しております。2016/7/1現在。

☆☆　ばねの交換について　☆☆

万一、購入されて緩衝荷重の設定を間違われた場合、ばねは交換できます。ばねを留めている６角ボルトをはずして下さい。
スプリングキャスター金具　　　　　　　スプリング３種類

騒音が減少。静かです。　　

一般キャスターの騒音値は下記の通りですが、コイルスプリングキャスターは、この値より約１５から２０%低減しました。特に積載時の騒音は大幅に減少しました。

　　＊一般キャスターの場合
　　　　　　　空車状態　　　　　88db
　　　　　　 500kg積載状態　　 81db
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ＳＳＴ車輪について説明します。　　

ここでは、ＳＳＴ車輪（スーパーソリッド車輪）と一般キャスター用ゴム車輪を比較しました。

	負荷荷重(kg)	ゴム硬度(HS)	反発弾性(mm)	回転抵抗係数
SST-200	250	65～66	700	0.0084
W-200	250	72～74	400	0.0232

上記の表は、始動試験結果です。回転抵抗係数を見ると、明らかに抵抗係数が低いため、ＳＳＴ車輪の方が、始動が楽なことがわかります。
　また、耐摩耗性については、一般キャスター用ゴム車輪は、もちろんのこと、同性能を持つ他メーカーの車輪に対して優れています。

磨耗試験（アクロン式）

	アクロン磨耗（cc/1000回）
SST-200	0.259
他メーカー同等品	0.56

ここで、ＳＳＴ（スーパーソリッド車輪）の特徴をまとめますと下記の通りです。
１　始動抵抗がきわめて小さい。
２　耐久性が抜群。
３　反発弾性が良い。
４　高速回転でも発熱が少ない。

けん引用車輪の性能を持ち、コイルスプリングキャスターと組めば、さらに性能を発揮致します。

コイルスプリングキャスター　図面　　

　図面

車輪径	A	B	C	D	E	F
150	114±1.0	124	188	200	50	126±1.0
200	140.5±1.0	150.5	234.2	252	75	176.5±1.0

上記、車輪ＰＣの場合。

　寸法表

型式	金具	許容荷重kg	車輪	車輪付高さC～D
150J-PC	自在	350	ポリウレタン	188～200
150K-PC	固定	350	ポリウレタン
150J-SST	自在	200	ＳＳＴ
150K-SST	固定	200	ＳＳＴ
200J-PC	自在	400	ポリウレタン	234.2～252
200K-PC	固定	400	ポリウレタン
200J-SST	自在	250	ＳＳＴ
200K-SST	固定	250	ＳＳＴ

取付座	取付穴ピッチG/H～I/J	取付穴径	軸径	スプリング最大荷重kg
158/114	86/113～62/125	12.7	12.7	赤R:400kg

型式表示について　　

１　最初に車輪径を表す数字がきます。　　　１５０　　　　　２００
２　次に金具種類が表示されます。　自在　Ｊ　　　　　固定　　Ｋ　　。
３　次に車輪種類が表示されます。
　　　ＳＳＴ　　　　ＵＢ（ウレタン）　　　ＰＣ（ポリウレタン）
４　最後にばね種類が表示されます。
　　赤ばね　Ｒ　　　　　緑ばね　Ｇ　　　　黄ばね　　Ｙ

型式：　　　　車輪径-金具種類-車輪種類-バネ種類

型式例　　　２００Ｊ－ＳＳＴ－Ｒ
　　　　　　　　　　（車輪径２００mm、自在、ＳＳＴ車輪、赤ばね）