構内トレーラーHow TO
1.構内トレーラー使用メリット・デメリット
メリットは、複数台同時けん引による効率化、フォークリフト使用頻度の低減、作業の安全性向上、環境対策などに 貢献します。
デメリットは新規でけん引専用車両や無人搬送機の導入が必要です。
フォークリフトでのけん引はご対応しておりません。用途外使用で書類送検されたケースが確認されています。
2.どのような構内トレーラーがあるでしょうか
お客様の通路幅等の作業環境にあわせて、操舵方式から2種類ご用意できます。
4WS(四輪操舵)式・・・前後車輪に旋回機能があり、前後車軸をロッドで連結し、けん引車とほぼ 同一軌跡を実現します。狭い湾曲通路で安定した運行ができます。但しバック走行ができませんので、周回ルートを設定頂くことが条件です。
また、通路幅が狭い場合、同一軌道を描いても連結数により壁に接触する可能性もあります。通路幅は出来るだけ確保されることをお勧め致します。
2WS(二輪操舵)式・・・前輪に旋回機能があり、後輪は固定です。前輪は引棒の操舵方向に動きます。自動車と同様に前後輪の旋回軌跡にズレが生じます。
3.操舵機能について
各操舵方式の旋回機構には2種類あります。
ターンテーブル式・・・ターンテーブルに車軸が取り付けられ回転するため、旋回半径が小さく、他の構造に比べ安価である。また構造が簡単でメンテナンスが容易です。旋回時に、外輪側(外半径)のホイールベースが大きくなり、内輪側(内半径)のそれは小さく(接近)なるので、ホイールベースと旋回半径の検討は注意を要します。
ナックル式・・・・・・車軸先端にあるナックルが首振り旋回するため、ホイールベースの変化がなく安定した旋回ができます。しかし価格面で割高になり、機構が複雑である。また一般にはターンテーブル式より旋回半径が大きくなります。
4.4WS(四輪操舵)式の走行軌跡について
普通の台車の場合、先頭のけん引動力車がA軌道で走行すると、後ろに連結された台車は、2、3、4両目と順に内外輪軌道差が大きくなり内側へ軌道が移動します。
先頭車両がC地点に到達した時、4両目は縁石に乗り上げている状態です。
そこで運転者は回避するためB軌道のように大きく回りこみます。ただし、通路巾の確保が必要となります。
4WS台車は、先頭車両とほぼ同じ軌道で走行しますから、運転者は、動力車の運転に集中でき安全に走行できます。この追従性が大きな特徴です。
積載荷重からのタイヤ選択
1.積載荷重から余裕あるタイヤを選択します。
タイプ | 概略図 | 説明 |
ノーパンク タイヤ車軸ユニット |
比較的、重荷重用向きで車軸との組合せで強靭です。操舵方式は4WS,2WSの2種類。構内時速10km/hまで。 |
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けん引用キャスター | 中~重荷重用向き。強度はキャスター金具に依存する。キャスターを前後または左右にリンクすることにより、2WS,4WSの操舵方式が可能です。 構内時速4km/hまで。 |
2.タイヤ選定方法について
ここでは一般的な産業用シングルタイヤの選定方法について述べます。 特殊タイヤ、Wタイヤなど詳細仕様を要する
場合は別途お問い合わせください。
①ソリッド(ノーパンク)タイヤか、キャスターでよいか。
② タイヤの負荷を決める。 カタログ値*0.7~0.8
③ 走行速度の範囲内か。
④ タイヤ外径と台車のホイールベース、トレッド、荷台高さの調和と使い勝手を基本に検討する。
⑤ タイヤ材質と騒音、走行路面など環境との適否確認。
以上を2~3回繰り返して最適タイヤを選定します。
3.車軸選定方法について
①この業界では牽引台車の車軸に、断面正方形の角軸が多用されています。これは取付け面が平らで取付け易く、接触面圧を低くできるためと思われますが台車側取付け面の剛性があれば丸軸でも構いません。
②弊社では車軸の寸法、形状等はタイヤの仕様に合わせて規格化されており、お客様のお手を煩わせません。
4.けん引用台車各種タイヤ、車輪、金具
車輪支持金具 | 写真 | 説明 |
車軸用ノーパンクタイヤ |
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けん引用ノーパンクタイヤキャスター サイズ3.00-5,3.50-5,4.00-8の3種類。 各サイズ自在、固定金具の2種類を用意しています。 3.00-5については双輪タイプもご用意しております |
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けん引用中荷重キャスター |
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けん引用重荷重用キャスター |
操舵(そうだ)方法、旋回方式について
1.操舵方法、旋回方式から搬送経路に適した台車を選択します。
搬送経路の道幅、曲がり角を考え、けん引動力車に数台を連結して走行した場合、どのような問題が発生するか、充分ご検討下さい。 その場合にコストも併せ考え、下記のタイプから適切な方式の台車を選択して下さい。
2.4WS(四輪操舵)式構内トレーラー(連結台車)
旋回方法 | 概略図 | 説明 |
【ターンテーブル式】 おすすめ! |
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【ナックル式】 ・旋回半径やや大きい。 ・他方式に比べ構造が複雑なため、高価である。またメンテナンス箇所も多い。 ・車輪の接地点の移動距離が小さくホイール ベースが一定で、旋回時の安定性がよい。 ・けん引車の軌跡のズレが少なく、追従性がよい。但しバックが出来ない。周回ルートの設定が必要。 |
3.2WS(二輪操舵)式構内トレーラー(非連結台車)
旋回方法 | 概略図 | 説明 |
【ターンテーブル式】 |
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【ナックル式】 ・複数連結した場合、後ろの車輌ほど、けん引車の軌跡からはずれ、連結数と通路幅の検討が必要である。 ・車輪の接地点の移動距離が小さくホイールベースが一定で、旋回時の安定性がよい。 ・高価である。 |
4.キャスター式構内トレーラー(連結台車)
旋回方法 | 概略図 | 説明 |
【キャスター式】 ・旋回半径やや大きい。 ・中~重荷重向きで、走行速度4km/h以下での使用。 ・けん引車の軌跡のズレが少なく、追従性がよい。 ・サイズにもよりますが最大5連結まで。軽・中荷重。 ・連結を主としておりますので、低速での運用となります。 ・バックが出来ない。周回ルートの設定が必要。 |
5.キャスター式構内トレーラー(非連結台車)
旋回方法 | 概略図 | 説明 |
【キャスター式】 |
6.選び方、お勧め
上記の方式には、それぞれ長短はありますが、弊社ではご使用状況、荷重を優先しておすすめしています。
ご使用状況:
・屋外 ・・・ノーパンクタイヤ
・屋内 ・・・キャスター式
荷重:
・1000kg以上 ・・・ ノーパンクタイヤ
・1000kg以下 ・・・ キャスター式
この2点で簡単に絞ることができます。
なお、当社ではターンテーブル式、4WS、2WSの納入が大半を占めております。
台車の特注装備について
1.物流目的に合った台車に特注装備します。
特装の仕様を決定して下さい。下記は主な特装内容を分類しました。詳細は各ページの製作事例を参考にして下さい。より作業効率を上げるためには、台車架台上に様々な工夫が必要になります。荷受側、荷渡し側積載状態の各事情を想定して仕様決定されることをお勧めします。
物流目的別台車 | 概略図 | 説明 |
平床面台車(標準) |
平床面で最も汎用的な形状です。 |
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特装台車 |
ただ台車に荷物を載せるのでなく、荷受場及び 荷渡場で作業効率を良くするために特装します。 左図例は各棚にローラコンベアを取り付けること により、簡単に荷渡しができます。 |
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幌付特装台車 | 構内の屋外を走行する場合、雨対策として台車に 幌を付けて大切な部品等の荷物を守ります。 |
2.台車の最終仕様を決定します。
今までの検討で、かなり具体的なイメージと仕様ができたと思います。しかし、ここで積載荷重変更、 搬送経路変更による操舵方式の変更などの可能性はないか、もう一度、1~3を繰り返し最適な仕様を決定 して下さい。
3.上記の台車仕様決定まで、お手伝いさせていただきます。
上記の各段階でご不明な点は多少にかかわらず、ご連絡下さい。お手伝いさせていただきます。
構内トレーラーの見積りについて(製作範囲と価格)
平床面台車が当社の製作範囲となります。基本ベースを販売致します。
目的別台車 | イメージ | 説明 |
平床面台車 (台車基本ベース) |
平床面で最も汎用的な形状です。 荷物も選ばず運搬できます。 |
標準モデルの価格については各商品ページでご案内しています(下記)。
*サイズ・荷重変更がある場合は無料でお見積り致します。
平床面台車(基本ベース)で商品ページにない寸法・荷重条件の場合は別途無料でお見積り致します。ただし上部の特装については製作範囲以外のためお見積りができませんのでご了承下さい。
上記の平床面台車への特装はお客様の製作範囲となります。
目的別台車 | イメージ | 説明 |
特装台車 | ただ台車に荷物を載せるのでなく、荷受場及び 荷渡場で作業効率を良くするために特装します。 例えば、左のイメージですが、棚にして各段に ローラコンベアを取り付けることにより、簡単に 荷渡しができます。 |
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幌付き特装台車 | 工場と工場の間を走行する場合、雨対策として 台車に幌を付けて大切な部品等の荷物を 守ります。 |
台車上部の特別装備については製作致していません。
お見積りされる前の注意事項
特注台車製作及び構内トレーラー製作についてはご了承下さい。
* 1.見積有効期限は15日以内とさせていただいています。
* 2.見積ご検討結果回答をお願いしております。
* 3.弊社からの見積回答は原則的には1週間以内とします。
* 4.図面が必要な場合、別途請求となります。30,000円から対応。
* 5.ご要望の仕様が商品開発の範疇になる場合、別途請求となります。
* 6.現地へお伺いしての打合せは行っておりません。
お打合せが必要な際はメール・FAXにてご対応致します。